ブックタイトルキャンパスネット 2020 SPRING 春 39号

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概要

キャンパスネット 2020 SPRING 春 39号

TOPICS自治医科大学&宇都宮大学大学を超えた共同研究支援事業自治医科大学と宇都宮大学のトピックス自治医科大学と宇都宮大学は、大学コンソーシアムとちぎ「大学を超えた共同研究開発支援事業」として、介護や医療の現場で活躍する「臥床(がしょう)状態把握システム」(特許第5006018号、特許第6468510号)の共同開発を行いました。本システムは、自治医科大学看護学部の川上勝准教授が中心となって、介護に携わるケアスタッフの心身的負担を軽減するために被介護者の体動情報を計測し、身近な通信機器を使って情報が伝達できるよう開発が進められました。計測器は、ロボット開発の第一人者でもある宇都宮大学工学部の尾崎功一教授の協力を得て製作されました。大学病院や介護老人保健施設で看護師として働いた経験のある川上氏は、「ベッドからの転落や転倒、夜間の徘徊を防ぐ離床センサーの必要性を強く感じており、現場とケア用品のギャップを自治医科大学看護学部川上勝准教授肩部腰部体動検知パネル制御部システム図センサーパネル埋めることで夜勤従事者の肉体的・精神的負担を減らすことができるのではないか」との思いから、介護現場の変革に挑戦してきました。実際に現場事故の約8割が夜間に発生しており、看護師の目の届きにくい時間帯に多発していることがケアスタッフの心身的な負担を増幅しているようです。開発した機器は、ひずみゲージを利用したセンサーをベッドマットレスの下へ設置し、体動検知パネルを肩部と腰部にあたるように取り付けることで、見守り対象者の臥床時(ベッドなどで横たわっている状態)を「臥床中」、「起上り」、「離床中」の3段階に判別することができます。センサーで判別ができるため、カメラ等での監視の必要が無く、夜間の見守り対象者のプライバシーを守った上で転倒事故を防ぐことができるという特徴があります。実証実験の結果、状態判別率は90%を超えており、従来の機器に比べて高い効果が検証されました。また、本システムをナースコールと連携させることで、新たな設備をせずに安価で耐久性に優れた介護補助機器として、在宅介護を含め多くの現場で導入されることが期待されています。川上氏は「現在、学習機能(AI)による体動予測システムの開発にも挑戦しており、将来的に介護現場の働き方改革や人材確保に繋がれば嬉しい」と話しています。8